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第3節
5月28日に行われた試合のMVPです。第3節_d0018873_5241341.jpg  
「東京ベイのシュートが、相手ゴールに次々に打ち込まれていく」そのような解説が最も似合うであろう試合展開だった。ただ、1点が入るまでに少し時間が掛かったが、その1点が入ってしまえば、あとは次から次へと得点が重なり、前述した試合展開となっていった。前半で5点が入り、事実上の勝負はすでに決していた…。
 実は今回の試合についての記事などはどうでもよい事で、その舞台裏に隠された、ある1人の選手の壮絶なドラマが、今回の物語の主役となっていた。
 彼は、東京ベイの中でも最高齢で、天王洲サッカークラブ(東京ベイの母体で、練習をしている組織)の中でも最高齢の選手である。しかし、彼は仕事の合間を縫って、積極的に練習に参加した。もちろん、年が20程も離れた選手たちに体力で勝てるはずはない、しかし彼はたった1人でその中に加わっている。ただサッカーが好きという思いが彼を動かし、体をゴールへと向かわせる。点を決めれば、大きなガッツポーズを見せ、喜びを表す姿からもその想いは容易に想像できた。彼はそんな選手であった。
 ハーフタイム、一種勝ちを確信したかのような緩い空気が流れていた。しかし彼は、靴の紐をしっかりと結び直し後半への準備を早々に済ませ、自らの気持ちを高るかのようにピッチをにらみ付けた。その背中に、誰よりも「何かを伝えたい」であろう人の期待を背負って。
 息子の足には自らが与えたサッカーボールが、どこか不安そうに、左右に揺れ動きながら置かれていた。しかし、その視線だけは確実に父親の背番号22を追いかけていた。
by tokyobay-soccer | 2005-06-01 05:27 | 【MVP】発表
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